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   幻蟲奇譚
 
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蚤の章…14


「ジイさん、啜っただろ? 身体、膨れてるぞ」
「ははは、ついでに食事もさせてもらった。たまには白い飯も食べたいからな」
「もうちょい遊ぼうぜ、ジイさん。その丸く太った身体でそこに居てくれ」
 
 夏雄が刈り終わったばかりのタマジの下腹を撫でながら、ジイさんを誘う。 

「夏坊、さては犯る気じゃな? タマタマにはいろんな意味で同情するが、まあ、これもタマタマの運命じゃな〜〜ははは」
「よく言うよ。ついさっき、『タマタマも幸せ者じゃ』って、高笑いしてたくせに。こいつは俺にぞっこんだから、いいの。こいつがM気質だから、俺がわざわざ苛めてやってるんだよ」
「んま、どっちでもいいわい。たまにこうしてお零れにあずかれるんなら」
「とんだ好色ジジィだ」  
 
 そりゃお互い様だと、蚤のジイさんが笑う。

「ちょっと揺らすぞ。ジイさん落ちないようにしっかりタマジに捕まってろよ」
 
 夏雄が、刈った毛が散らばっているシーツを掴むと、ベッドから抜き取った。

「これで、俺の尻もチクチクしね〜で、やれる」
 
 タマジの両足の枷を外し、自分の下半身から衣類を全て取り払うと、タマジの腰を持ち上げた。

「やべ〜、犯罪者になった気分だ」
「強姦魔という意味か? それとも子どもに淫行するって意味かの?」
「そりゃ、もちろん後者だろ。あるべきものがないってだけで、マジ、エロい眺めだ」
「その眺めはこれが最初ではなかろう? タマタマだけじゃなく、夏雄もツルッツルだった」
「はあ? いつの話だ。記憶にねぇよ。呆けたかジジィ。そんなことより、今はコッチが先だ」
 
 夏雄の先端が、タマジの薄紅色の窄まりに押し当てられた。

「ん、ぅん」
 
 何か感じたのか、タマジから吐息が漏れた。

「意識なくても分るってところが、さすが俺のエロ猫だね」
 
 夏雄の腰が動き、タマジの中に自分の分身を押し込んだ。
 タマジの内部が、反射的にそれを外に押し出そうとしたが、それに背いて根元までねじ込んだ。

「なっ、に?」
 
 下半身を襲った突然の衝撃に、タマジが覚醒した。
 パッと見開いた両眼の先には、黒いモノがなくなった平野にそびえ立つ一本の木…ではなくて、勃立した性器。
 その後ろに自分の身体に腰を打ち付けている夏雄。
 内部に感じる自分の中を押し開く夏雄の分身。

「無理っ、…痛いっ、」
「だけじゃないだろ? 本当に痛いだけなら、とっくにそのエッチな棒が萎えてる」
「…本当に…痛いっ、前も痛いっ、ぁう、」
「ジイサンが蓋になってるから、イイだろ?」
「…くるしい、…、夏雄、」
「痛いのも苦しいのも大好物じゃないか。ほ〜ら、中も、濡れてきた」

 女性で言うところの愛液が内部でジワジワと滲み出す。
 タマジの身体が夏雄を歓迎するのに、そう時間は掛らない。
 夏雄の言うように、痛いだけなら起きるはずのない現象だった。


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